BRITISH SPIRATION : Wrapped in a versatile peacoat
船の上から、都市生活まで。
November 14th,2024
JOURNAL
BRITISH INSPIRATION : Brutalist architecture
グレーというモダニティ。
March 21st,2024
人が、水に次いで多く使っている資源はコンクリートだと言われています。低コス
トで、スピーディ。耐久性が高く、ローメンテナンス。そして、造形力のあるコン
クリートが私たちの生活を支える建築資材として身の回りにあふれています。しか
し、直接、目にする機会が少ない素材でもあります。
なぜなら、構造体であるコンクリートの表面は、化粧板や壁紙、塗装で覆われてい
るから。いわば、コンクリートの骨格に、手を変え品を変え肉づけをおこなってい
るのです。しかし、極めて厳密に何も付け足さず、コンクリートむき出しの素肌を
大きな特徴とするのがブルータリズム建築です。
人が、水に次いで多く使っている資源はコンクリートだと言われています。低コストで、スピーディ。耐久性が高く、ローメンテナンス。そして、造形力のあるコンクリートが私たちの生活を支える建築資材として身の回りにあふれています。しかし、直接、目にする機会が少ない素材でもあります。
なぜなら、構造体であるコンクリートの表面は、化粧板や壁紙、塗装で覆われているから。いわば、コンクリートの骨格に、手を変え品を変え肉づけをおこなっているのです。しかし、極めて厳密に何も付け足さず、コンクリートむき出しの素肌を大きな特徴とするのがブルータリズム建築です。
第二次世界大戦後、人々は都市を再建する必要がありました。余計な資材を使わず、
必然的に費用が抑えられるこの様式が採用されたのは、切実な時代の要請があった
のです。また、加飾がないため特定のテイストに左右されず、機能から造形を導き
出した建築は、誰も阻まずオープンであり、フェアネス(公平)な姿勢を体現してい
ました。
しかし、不運なことに、その見た目には、冷徹な印象があります。閉鎖的ですらあ
る。理念と実体の間にある深いギャップが、たびたび議論を呼び起こしてきました。
現代においては、ブルータリズムの力強い水平線、斜線が描く彫刻的な美しさに、
再評価の機運が高まっています。
光と影が生み出す表情や、くすみ感のある色調は、これまで幾度も、ジョン スメド
レーのカラーパレットに影響を与えてきました。コンクリートという素材とともに
身近な色になったグレーは、現代を生きる、私たちの色彩感覚に響き続ける通奏低
音であるかもしれません。
Photography by Mitsuo Okamoto
Styling by Yuriko E
Hair & Make-up Shinya Kawamura
Edit and Writing by Yoshikatsu Yamato (kontakt)
第二次世界大戦後、人々は都市を再建する必要がありました。余計な資材を使わず、必然的に費用が抑えられるこの様式が採用されたのは、切実な時代の要請があったのです。また、加飾がないため特定のテイストに左右されず、機能から造形を導き出した建築は、誰も阻まずオープンであり、フェアネス(公平)な姿勢を体現していました。
しかし、不運なことに、その見た目には、冷徹な印象があります。閉鎖的ですらある。理念と実体の間にある深いギャップが、たびたび議論を呼び起こしてきました。現代においては、ブルータリズムの力強い水平線、斜線が描く彫刻的な美しさに、再評価の機運が高まっています。
光と影が生み出す表情や、くすみ感のある色調は、これまで幾度も、ジョン スメドレーのカラーパレットに影響を与えてきました。コンクリートという素材とともに身近な色になったグレーは、現代を生きる、私たちの色彩感覚に響き続ける通奏低音であるかもしれません。
Photography by Mitsuo Okamoto
Styling by Yuriko E
Hair & Make-up Shinya Kawamura
Edit and Writing by Yoshikatsu Yamato (kontakt)