BRITISH SPIRATION : Layers of green
緑の庭に学ぶ、シックな重ね着。
October 31st,2024
JOURNAL
BRITISH INSPIRATION : Wrapped in a versatile peacoat
船の上から、都市生活まで。
November 14th, 2024
ピーコートの起源には諸説ありますが、その存在を広く知らしめたのは、イギリス
の海軍、ロイヤルネイビーが制服として採用したことです。ピーコートには、彼ら
が、厳しい船上の環境で働くための、柔軟性のある機能が備わっているのです。
まず、ピーコートの特徴的な短い着丈、通称「ピーコートカット」は、船員がマス
トの上り下りや貨物の積み入れといった重労働をこなすときに、動きやすさを確保
するための設計です。また、切り口が垂直であるデザインが特徴のマフポケットは、
ハンドウォーマーポケットとも呼ばれ、海の風が吹き荒ぶ甲板の上で、手を温める
ために作られたディテールです。そして、留め具のついた肉厚な襟。これは、あら
ゆる方向から吹く風や波の音で声が聞き取りづらい甲板上において、風を防ぎ集音
の効果を発揮します。
このようにピーコートは、各パーツにおいて、船の上で役に立つデザインだったの
です。そんな用途が歴史的にはあったのですが、それが街に流れつき、毎日のアウ
ターとなっていくうちに、ファッショナブルな観点での進化をしてきました。
たとえば、重く、硬さのあるメルトン生地で作られることの多いアイテムですが、
ジョン スメドレーのピーコートは、ウールとカシミヤを使用することで、保温性
を保ちながらもオリジナルにはない柔らかさを備えています。さらに、ジャスト
なサイズで着ることの合理性がある一方で、オーバーサイズシルエットで着こな
すこともできるのです。たとえば、メンズのピーコートをウィメンズが着ること
で、タイトなイメージのあるピーコートも、大きめの洋服を着たときならではの
袖のたわみから、柔らかさのある新鮮な装いに様変わりします。
このように、歴史を持ち、各部分に必然的な機能が備わっている服には、それを
アレンジさせてもくれる懐の深さがあるのです。作り手は、素材選びやデザイン
によって、現代のニーズに応える快適さを付け加えます。そして、着る人は、自
分なりのサイズバランスや、ラフな洋服との掛け合わせ、その時代ならではの着
こなしにアレンジするのです。
ピーコートの起源には諸説ありますが、その存在を広く知らしめたのは、イギリスの海軍、ロイヤルネイビーが制服として採用したことです。ピーコートには、彼らが、厳しい船上の環境で働くための、柔軟性のある機能が備わっているのです。
まず、ピーコートの特徴的な短い着丈、通称「ピーコートカット」は、船員がマストの上り下りや貨物の積み入れといった重労働をこなすときに、動きやすさを確保するための設計です。また、切り口が垂直であるデザインが特徴のマフポケットは、ハンドウォーマーポケットとも呼ばれ、海の風が吹き荒ぶ甲板の上で、手を温めるために作られたディテールです。そして、留め具のついた肉厚な襟。これは、あらゆる方向から吹く風や波の音で声が聞き取りづらい甲板上において、風を防ぎ集音の効果を発揮します。
このようにピーコートは、各パーツにおいて、船の上で役に立つデザインだったのです。そんな用途が歴史的にはあったのですが、それが街に流れつき、毎日のアウターとなっていくうちに、ファッショナブルな観点での進化をしてきました。
たとえば、重く、硬さのあるメルトン生地で作られることの多いアイテムですが、ジョン スメドレーのピーコートは、ウールとカシミヤを使用することで、保温性を保ちながらもオリジナルにはない柔らかさを備えています。さらに、ジャストなサイズで着ることの合理性がある一方で、オーバーサイズシルエットで着こなすこともできるのです。たとえば、メンズのピーコートをウィメンズが着ることで、タイトなイメージのあるピーコートも、大きめの洋服を着たときならではの袖のたわみから、柔らかさのある新鮮な装いに様変わりします。
このように、歴史を持ち、各部分に必然的な機能が備わっている服には、それをアレンジさせてもくれる懐の深さがあるのです。作り手は、素材選びやデザインによって、現代のニーズに応える快適さを付け加えます。そして、着る人は、自分なりのサイズバランスや、ラフな洋服との掛け合わせ、その時代ならではの着こなしにアレンジするのです。
Photography by Mitsuo Okamoto
Styling by Yuriko E
Hair & Make-up Shinya Kawamura
Edit and Writing by Junki Shibata (kontakt)
Photography by Mitsuo Okamoto
Styling by Yuriko E
Hair & Make-up Shinya Kawamura
Edit and Writing by Junki Shibata (kontakt)