FORM / COLOUR
優美なラインと美しい色、そして誰も手にしたことがなかった質感―。
いま注目されるうつわ作家・岩崎龍二さんの個展をジョン スメドレー横浜店と京都店にて開催致します。伝統工芸の世界で技術を磨き、数々の展覧会で受賞や入選を果たしてきた岩崎さん。2012年に自身の工房を構えてからは、皿や湯のみ、花器といった日常に寄り添ううつわの創作を続けています。
装飾を省いた洗練されたかたち。研究を重ね、つくり上げた幽玄な色。そして、温度変化に細心の注意を払い、仕上げる焼き。3つの工程が結実し、完成する岩崎さんのうつわ。それは、約230年の伝統を誇り、時代を経ても色褪せないデザインとシーズンごとに豊富なカラーパレットを展開する〈ジョンスメドレー〉のニットウェアとも共鳴するかのようです。培われたクラフトマンシップが生む「かたち」と「いろ」。生活を豊かに彩るニットウェアとうつわのコラボレーションをお楽しみください。
優美なラインと美しい色、そして誰も手にしたことがなかった質感―。
いま注目されるうつわ作家・岩崎龍二さんの個展をジョン スメドレー横浜店と京都店にて開催致します。伝統工芸の世界で技術を磨き、数々の展覧会で受賞や
入選を果たしてきた岩崎さん。2012年に自身の工房を構えてからは、皿や湯のみ、花器といった日常に寄り添ううつわの創作を続けています。
装飾を省いた洗練されたかたち。研究を重ね、つくり上げた幽玄な色。そして、温度変化に細心の注意を払い、仕上げる焼き。3つの工程が結実し、完成する岩崎さんのうつわ。
それは、約230年の伝統を誇り、時代を経ても色褪せないデザインとシーズンごとに豊富なカラーパレットを展開する〈ジョン
スメドレー〉のニットウェアとも共鳴するかのようです。培われたクラフトマンシップが生む「かたち」と「いろ」。生活を豊かに彩るニットウェアとうつわのコラボレーションをお楽しみください。
うつわ作家として独立する前は、伝統工芸の陶芸家が主宰する陶芸教室に勤めていました。仕事が終わったあとは、そこでひたすらろくろを挽いていましたね。ろくろは数をこなさないと技術が身につきません。大小様々なかたちを挽いたからこそ、シンプルなうつわも違ったものになるんです。教室での試行錯誤がなければ、いまのかたちは生まれなかったですし、伝統工芸の世界で、陶芸に限らずガラスや漆芸、金工など、様々な工芸の分野の作品を見て育ってきたことが創作のベースにあります。
うつわに模様を彫るなど装飾を加えたこともありました。しかし、私の美しさのものさしで完成したうつわを見ると、自分のうつわにそうした装飾は不要で、それならばろくろで
の成形を追求しようという結論に至りました。
曲線美に対する思いは昔からあり、それが私のかたちの基本にあります。ろくろで挽いた曲線に釉薬がどのように流れるかをイメージして仕上げていくのですが、そのかたちは果実のような佇まいが理想。より自然に近いかたち、言葉で表せない自然の美です。例えばお皿でも、縁の部分を均一に整えてしまうのではなく、自然な雰囲気を残すと生命力が出てくる。そういう造形を色と一緒に出したいと思っています。
うつわ作家として独立する前は、伝統工芸の陶芸家が主 宰する陶芸教室に勤めていました。仕事が終わったあと は、そこでひたすらろくろを挽いていましたね。ろくろは数 をこなさないと技術が身につきません。大小様々なかたち を挽いたからこそ、シンプルなうつわも違ったものになるん です。教室での試行錯誤がなければ、いまのかたちは生 まれなかったですし、伝統工芸の世界で、陶芸に限らずガ ラスや漆芸、金工など、様々な工芸の分野の作品を見て 育ってきたことが創作のベースにあります。 うつわに模様を彫るなど装飾を加えたこともありました。 しかし、私の美しさのものさしで完成したうつわを見ると、 自分のうつわにそうした装飾は不要で、それならばろくろで の成形を追求しようという結論に至りました。 曲線美に対する思いは昔からあり、それが私のかたちの基 本にあります。ろくろで挽いた曲線に釉薬がどのように流 れるかをイメージして仕上げていくのですが、そのかたち は果実のような佇まいが理想。より自然に近いかたち、言 葉で表せない自然の美です。例えばお皿でも、縁の部分 を均一に整えてしまうのではなく、自然な雰囲気を残すと 生命力が出てくる。そういう造形を色と一緒に出したいと 思っています。
COLOUR いろについて
伝統工芸展に出展するために様々な釉薬の研究を重ねてきました。若い頃からのその経験があり、より陶芸が面白くなりました。自分がイメージする色を出すために、釉薬をイチから考えて、焼いてみる。思うような色が出なくても、焼き上がれば何かしらヒントはあり、それを次につなげていきます。自分の窯を持ってからは、いろいろと試すことができるので、ますます色の探求に励みました。
うつわの色は、酸化金属(酸化銅、酸化コバルト、二酸化マンガン、酸化クロム)の粉末を調合して出しています。その粉末をうつわに吹きかけて、焼くと色が出るんです。下地となる釉薬にはチタンやリチウムも入っており、これが結晶になってうつわの表面に白い点々となって残ることでより複雑な表情をつくります。こうした釉薬の変化は、焼くときの温度管理が重要で、この結晶も窯の温度がゆっくり下がることで膨らむんです。また、皿などは生地のときにスポンジで中心に向かって細かい線を入れています。そうするとその線に沿って釉薬が流れやすくなる。そうした実験を繰り返して様々な色を表現しています。近年は椿の木などの自然の灰からできた釉薬も使用。これまで研究した金属系の釉薬に日本で昔から使われてきた灰の釉薬を組み合わせる。まだまだ実験の日々が続いています。
伝統工芸展に出展するために様々な釉薬の研究を重ねて きました。若い頃からのその経験があり、より陶芸が面白く なりました。自分がイメージする色を出すために、釉薬をイ チから考えて、焼いてみる。思うような色が出なくても、焼 き上がれば何かしらヒントはあり、それを次につなげていき ます。自分の窯を持ってからは、いろいろと試すことができ るので、ますます色の探求に励みました。 うつわの色は、酸化金属(酸化銅、酸化コバルト、二酸化 マンガン、酸化クロム)の粉末を調合して出しています。そ の粉末をうつわに吹きかけて、焼くと色が出るんです。下 地となる釉薬にはチタンやリチウムも入っており、これが結 晶になってうつわの表面に白い点々となって残ることでより 複雑な表情をつくります。こうした釉薬の変化は、焼くとき の温度管理が重要で、この結晶も窯の温度がゆっくり下が ることで膨らむんです。また、皿などは生地のときにスポン ジで中心に向かって細かい線を入れています。そうすると その線に沿って釉薬が流れやすくなる。そうした実験を繰 り返して様々な色を表現しています。近年は椿の木などの 自然の灰からできた釉薬も使用。これまで研究した金属系 の釉薬に日本で昔から使われてきた灰の釉薬を組み合わ せる。まだまだ実験の日々が続いています。
岩崎さんの原点には、幼少期に遊んだ粘土がある。触るとかたちが変わり、新しいかたちを生みだすことに興味を憶えた。それから数十年の時を経て、出身地でもある大阪府・富田林に構えたアトリエで、粘土を練り、ろくろを挽く日々を過ごしている。作業のお供はラジオ。流れてくる音楽や会話に耳を傾けながら作業する方が効率的だという。
岩崎さんの原点には、幼少期に遊んだ粘土がある。触るとかたちが変わり、新しいかたちを生みだすことに興味を憶えた。 それから数十年の時を経て、出身地でもある大阪府・富田林に構えたアトリエで、粘土を練り、ろくろを挽く日々を過ごして いる。作業のお供はラジオ。流れてくる音楽や会話に耳を傾けながら作業する方が効率的だという。
高台にあるアトリエでは、ろくろに向かうと前面の窓から富田林の豊かな自然を見渡すことができる。春になると目の前は桜で染まるそうだ。ご自宅に併設された「StudioDepth」には、3階の天井まで続く吹き抜けに沿って棚が設置されている。壁一面に並ぶ作品は圧巻。上部には初期の作品が置かれ、下部には新作がお披露目されている。
高台にあるアトリエでは、ろくろに向かうと前面の窓から富田林の豊かな自然を見渡すことができる。春になると目の前は 桜で染まるそうだ。ご自宅に併設された「StudioDepth」には、3階の天井まで続く吹き抜けに沿って棚が設置されている。 壁一面に並ぶ作品は圧巻。上部には初期の作品が置かれ、下部には新作がお披露目されている。
紫匂花器|25,300円(税込)
アイスグリーン+七寸縁皿|8,800円(税込)
Ryuji Iwasaki
1980年大阪府生まれ。2000年大阪美術専門学校卒業。古野幸治氏に師事し、氏が主宰する陶芸教室に勤める傍ら技術を磨き、工芸展での受賞や入選多数。2012年から大阪府富田林市に工房を構え、うつわを創作する。
1980年大阪府生まれ。2000年大阪美術専門学校卒業。古野幸治氏に師事し、氏が主宰する陶芸教室に勤め る傍ら技術を磨き、工芸展での受賞や入選多数。2012年から大阪府富田林市に工房を構え、うつわを創作する。
RYUJI IWASAKI EXHIBITION “FORM / COLOUR”
RYUJI IWASAKI EXHIBITION “FORM / COLOUR”
JOHN SMEDLEY YOKOHAMA 2021.9.18 SAT - 9.26 SUN
JOHN SMEDLEY KYOTO 2021.10.2 SAT - 10.17 SUN